スクリューレスインプラント技術の理解:原理、応用、日本の価格情報

スクリューレスインプラントは、従来のスクリュー固定式とは異なる発想で上部構造を装着する新しい技術です。ネジ穴がないことで見た目や清掃性の向上が期待され、日本でも徐々に採用する歯科医院が増えつつあります。本記事では、その基本原理と臨床での応用、高齢者への適応やシステムごとの違い、日本での費用相場までを整理して解説します。

スクリューレスインプラント技術の理解:原理、応用、日本の価格情報

歯を失った部分を補う方法として、インプラント治療は日本でも一般的になりつつあります。その中で、上部構造をネジではなくセメントや専用の保持機構で固定するスクリューレスインプラントが注目されています。この技術は審美性や噛み心地だけでなく、清掃性やメンテナンス性にも影響するため、仕組みを理解して選択することが重要です。本記事の内容は医療情報の提供を目的としたものであり、診断や治療の決定は必ず歯科医師などの専門家と相談して行ってください。

スクリューレスインプラントの利点とは?

スクリューレスインプラントとは、インプラント体と上部構造をネジ穴を介さずに連結する方式の総称です。代表的なのは、接着材を用いるセメント固定や、テーパー形状を利用した摩擦固定、スナップのようなロック機構を使うタイプなどです。上部にネジ穴が開かないため、かみ合わせ面や前歯の見た目を自然に仕上げやすいことが大きな特徴です。

ネジ穴がないことで、詰め物のレジンが欠けて食べ物が詰まるといったトラブルが起こりにくくなります。また、ネジを締める必要がないため、緩みや破折といった機械的なトラブルのリスクが減るとされます。さらに、設計によっては清掃用の形態をとりやすく、患者自身が日々のブラッシングやフロスでケアしやすい点も利点です。ただし、取り外しや再装着のしやすさはシステムによって異なります。

スクリューレスインプラントは高齢者に適していますか?

高齢者の場合、骨量の減少や全身疾患、服用中の薬の影響など、インプラント治療全般に慎重な検討が必要です。その上でスクリューレスインプラントは、ネジ穴やネジの破損リスクが少ないことから、長期的なメンテナンスの簡便さという意味でメリットがあります。噛む力を過度に強くかけにくい設計と組み合わせれば、顎骨への負担を抑えることも期待できます。

一方で、セメント固定タイプでは、余剰セメントが歯ぐきの中に残ると炎症や骨の吸収につながる可能性があります。特にブラッシングが難しくなる高齢期には、清掃性を最優先にした設計と、定期的なプロフェッショナルケアが欠かせません。また、糖尿病や心疾患などの持病、喫煙習慣、介護の有無などによっても適応は変わるため、自分に合うかどうかはかかりつけの歯科医師と個別に相談する必要があります。

異なるインプラントシステムにはどのような違いがありますか?

インプラントシステムには、スクリュー固定式とスクリューレス式のほか、内部接続型や外部接続型、プラットフォームスイッチ形態など多くの違いがあります。素材も一般的なチタンに加え、上部構造にジルコニアを用いるかどうかで見た目や強度、費用が変わります。日本の自費診療では、スクリューレスインプラントの費用は、1本あたりおおむね20万〜45万円前後の幅に収まることが多く、選ぶシステムやクリニックによって差があります。以下は公開情報などから整理した大まかな範囲であり、実際の見積もりは各歯科医院で必ず確認が必要です。


Product/Service Provider Cost Estimation
スクリューレスインプラント1本 (チタン製標準タイプ) 湘南美容クリニック 歯科インプラント 約200,000〜350,000円
スクリューレスインプラント1本 (ジルコニア上部構造) 医療法人徳真会グループなど自費中心クリニック 約300,000〜450,000円
インプラント治療1本 (スクリュー式・スクリューレス式を含む) 東京医科歯科大学病院など大学病院 約250,000〜400,000円

本記事で言及している価格や料金、費用の目安は、利用可能な最新情報に基づいていますが、今後変更される可能性があります。金銭的な判断を行う前に、必ずご自身で最新の情報を調べ、各医療機関へ直接確認することをおすすめします。

費用以外にも、インプラント体とアバットメントの連結方式、部品点数、メーカーの供給体制などは長期的な安心感に直結します。世界的に広く使われているメーカーであれば、将来引っ越しをした際にも、別の歯科医院でパーツ交換や修理に対応してもらいやすい傾向があります。また、スクリューレスといっても、メンテナンス時にどこまで分解して清掃できるかはシステムごとに異なるため、治療前に必ず説明を受けておくことが大切です。

スクリューレスインプラントを選ぶ前に考慮すべきことは何ですか?

スクリューレスインプラントを検討する際には、まず自分の口腔内環境と全身状態が、インプラント治療自体に適しているかを確認する必要があります。その上で、清掃のしやすさ、定期検診の通いやすさ、お住まいの地域の歯科医院かどうか、トラブルが起こった場合の対応方針など、長期的な視点から情報を整理するとよいでしょう。骨造成やサイナスリフトなど、追加手術の必要性があるかどうかも総費用と心身の負担に大きく影響します。

また、スクリューレスインプラントを選ぶと、原則としてネジ穴からアクセスして上部構造を簡単に外すということができないケースがあります。被せ物を外す必要が出た場合、切削して作り直すことになる可能性もあるため、その点を含めたリスクとメリットの説明を受けておくことが重要です。治療計画の段階で、他の選択肢であるブリッジや入れ歯との違いも含め、複数案を比較しながら自分にとって納得できる方法を選ぶことが望まれます。

スクリューレスインプラント技術は、審美性や快適性に優れた補綴方法を実現する一方で、セメント残留や再治療時の対応といった独自の注意点も持っています。高齢者かどうかにかかわらず、骨や歯ぐきの状態、全身疾患、ライフスタイル、通院可能性、費用負担などを総合的に考慮し、自分に合ったインプラントシステムを選択することが大切です。疑問点は遠慮なく担当医に確認し、十分な説明を受けたうえで治療方針を決めることが、長期的な口腔の健康につながります。